穏やかなお天気が続きますように
美生柑の園地のある愛南町は早期米の産地だ。
四月にはもう田植えが行われ、やがて清々しい緑の光景が集落に広がる。
稲が日ごとに成長しやがて穂をつけ始めているのは、見ていてとても気持ちいい。
八月には稲穂も垂れはじめ、今年もお盆には順調に稲刈りだ、と思っていた。
それが、思わぬ事となる。
お盆の頃から降り始めて、いつまでもやむことのない長雨。
久しぶりに愛南に向かった際に見たのは稲が無残にも傾き倒れた田んぼの光景だった。
刈り取りを、まさに目の前にしていた時の出来事。
いつもの年より随分と遅れての、農家の刈り取り作業は傍から見ていても、とても気の毒だ。
みかんつくりを、これまでしてきて、お天気には幾度となく泣かされてきた。
収穫を前にしての台風、冬の寒害、夏場の長雨、そして干ばつ。
気を緩めることなく、精を出してつくってきたつもりのみかんが、お天道様の機嫌次第で
痛めつけられる。
それでも農家は次に向かって進んでいかなければならない。
農業を営むには強い精神力も必要だ。
刈り取りを終えた田んぼには以前ののどかな光景が戻ってきた。
今年は早くも彼岸花の鮮やかな朱色も見え始めた。
見上げると秋の空へと変わりつつある。
これから、いよいよ極早生温州の収穫も始まる。
どうか、穏やかなお天気が続きますように。
そう祈るばかりだ。
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