私が農業を継いだ経緯

私が十代の頃・・・

農家の長男、すなわち農家の跡取りという目で見られることにものすごく抵抗を感じていた。

はっきり言えば農業は大嫌いだった。

小学生のころからみかんの仕事を半ば強制的にさせられていて、働く両親や爺さんの姿を身近に見てきていた。

夏場の汗臭く、泥で汚れた作業着。冬の雪の降る中で、かじかんだ手に息を吹きかけながらのみかん採り。経済的にも、どう見ても豊かではなさそうだ。こんな仕事の何がおもしろい?そんな気持ちでいっぱいだった。

大学を出たら普通に就職して、休日にはのんびりと自分の時間を満喫してと・・・

今思えば甘すぎるほどの当時の私だった。

大学で勉強してました、野球をやっていました、間に合わせのような面接での返答に採用してくれる会社は一社もなかった。


社会で生き抜くことの大変さを、十代から二十代にかけて半端な気持ちで過ごしてきた私、そんな私が若い農業に興味をもった君たちに説教する資格はないのかも。

でも、六十をむかえるおっさんから、あえて一言いわせてもらうとすれば

まずは興味あることに若いエネルギーで果敢に挑戦する事。その過程で大きな壁に当たった時には知恵と汗をしぼること。

農業は本当に奥が深い。

四十年、農業しかやってこなかった私もいまだに未熟者だ。


みかんの ふるさとから

愛媛の宇和島市吉田町でミカンつくりに励む農家のサイトです。 松本農園

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